予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「いえ、食事はちょっと……」

 まさか仕事終わりに待ち合わせして、食事の誘いを断られるとは思わなかった。


「俺と一緒に食事をするのはいやか?」
「いえ、あの。少し食欲がなくて」

 うつむきがちに言った吉木の肩をつかむ。

「食欲がないって、どこか悪いのか?」
「え?」
「そういえば、少しやせたか?」
「そんなことは……」
「前に有休をとって病院に行っていたよな? もし体調がよくないなら、ちゃんと調べた方がいい。信頼できる医者を紹介するから……」

 真剣な俺に、吉木は目をまん丸にしたあとぷっと噴き出した。

「ちょっと食欲がないって言っただけなのに、医者を紹介すると言い出すなんて、大げさすぎます」
 
 そう言って、口元に手を当てくすくすと笑う。
 


 待ってくれ。
 
 肩を揺らして笑う彼女を見て、心の中でつぶやいた。
 
 待ってくれ。吉木はこんなにかわいかったか?
 

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