予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 吉木は慌てたようにしゃがみ、バッグの中身を拾いはじめた。

「いや」

 俺もかぶりを振って落ちた荷物に手を伸ばす。

 シンプルなベージュの革の手帳を持ち上げたとき、間から小さな紙が滑り落ちた。


 
 風に飛ばされそうになり、慌てて掴む。

 そしてなんとなくその紙に視線を落とすと、そこには白黒の不思議なものが映っていた。


 
 とても鮮明とは言えない画像。

 まるでノイズだらけの天の川の中心に、ぽっかりと黒い月が浮かんでいるような写真だった。



「これは……」
 
 つぶやくと、俺の手から写真が乱暴に奪われた。


 驚いて視線を上げる。

 吉木が俺から取り返した写真を必死に守るように胸に抱いていた。
 

 赤い顔で肩を上下させ息をする彼女は、俺にその写真を見られたことに動揺し、あきらかに取り乱していた。

「吉木、今の写真は」
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