予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 顔を合わせ話をすれば、ボロを出して妊娠していることがバレてしまうかもしれない。

 だから、社長と接触しないのが一番安心だ。

 
 そうわかっているのに、二年間、だれよりも彼のそばで仕事をしてきたから、彼の整った横顔や余裕に満ちた綺麗な佇まいを見られないのがさみしくて、ときどき泣きそうになる。

 私は自分で思っていた以上に、臆病でわがままで面倒くさい性格をしているみたいだ。


 そんなことを考えながら仕事をしていると、辻さんに声をかけられた。

「ね、香澄ちゃん。明日はなにか予定ある?」
「明日、ですか?」
 
 突然の質問に少し考えてから「なにもないですけど」と答える。

「よかった。明日仕事が終わった後、社長がふたりで話をしたいって」
「え、ええっ!?」


 社長とふたりで?

 私は驚きのあまりイスから滑り落ちそうになった。

 辻さんが慌てて私の腕をつかみ支えてくれる。
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