予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 すると、気配に気づいたのか吉木がこちらを向いた。
 
 俺の姿を見て、目を丸くする。

「ごめん。仕事に戻らないといけないから、切るね」

 慌てた様子で電話を切る。
 そして、俺に頭を下げた。

「失礼しました。仕事中に……」

 電話で話していたときとは違うかしこまったしゃべり方に、距離を感じ少しむっとする。

 秘書の吉木が社長である俺に敬語で話すのは当たり前なのに。

「いや、いい。スピーチも終わって、あとは参加者同士自由に歓談するだけだ」

 ひと通り挨拶も写真の撮影も済ませ、新社長としての仕事は終えた。
 そう言うと、吉木は安心したように肩から力を抜く。
 
 俺は彼女の方へ一歩足を進めた。
 
 長身の俺が近づいたせいで、照明がさえぎられ影が落ちる。

 それに気づいた吉木がこちらを見上げ、首をかしげた。

「社長……?」
「誰と電話をしていたんだ?」

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