予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 長い指がゆっくりと私の手をなぞる。

 まるで宝物に触れるみたいに優しく。


 
 そして社長はゆっくりと体をかがめ、私の手の甲にキスを落とした。


「ん……っ!」

 肌にふれた唇の感触に、全身の血が沸騰するかと思った。
 
 私の体温が一気に上がったのに気づいたのか、社長はこちらに視線を向け小さく微笑む。
 


 そして、信じられない言葉を口にした。

「香澄、俺と結婚しよう」
「いや無理です」

 考えるよりも前に、反射的に言葉が出た。

「……は?」

 私の返答を聞いた社長は、ぽかんとした表情を浮かべる。

「気を遣わせてすみません。父にあんなことを言われたから、責任を感じて結婚しようと言ってくれたんですよね」

 私は気持ちを切り替えて、はきはきとした口調で話す。

「お父様のことは関係ない」
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