予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 綾人の言葉を繰り返しながら、今までの自分を顧みる。

 たしかに、俺は彼女に信頼してもらえることなんてなにひとつしていない。

 
 故意ではなかったとはいえ、彼女の立場になって考えるとひどい行動ばかりしていた。

 その上今日は彼女の父親に結婚するつもりだと勝手に先走った発言をしたり、唐突にプロポーズしたり……。

 
 自分の行動を振り返った俺は、反論できずがっくりと肩を落とす。

「完全に自業自得だね」

 こっちはかなり深刻なのに。おもしろがる綾人を睨んだ。

「まぁ、兄さんは女性からモテすぎて自分から口説く必要がなかったから、そうやって戸惑う気持ちもわかるけど」
「綾人だって似たようなもんだろ」
「俺は違うよ。何年も久美に片想いしつづけて、やっと手に入れたから」
「へぇ。意外だな」

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