予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 綾人は穏やかな性格でなんでもそつなくこなすタイプだったから、恋愛もうまく楽しんでいるんだろうと思っていた。

 なのに、何年もひとりの女性に想いをよせていたなんて。


「ちなみに、どうやって彼女を口説いたんだ?」

 興味をひかれて聞いてみる。

「ただひたすら優しく甘やかして溺愛しただけだよ。俺以外の男じゃ満足できなくなるくらいに」

 綾人はさわやかな顔でさらりと言っているけれど、言葉の裏に深い執着を感じた。

「お前、意外と腹黒いよな」
「そう? 本気で好きだから、必死だっただけだよ」

 本音をもらした俺に、綾人は涼しい顔で微笑む。

「で、兄さんはどうするの? プロポーズを断られたから、おとなしくあきらめる?」
「まさか」

 あおるような質問に、むっとしながら答える。

「あきらめるわけないだろ」

 吉木も、そして生まれてくる子供も。

 俺が守り幸せにする。
< 144 / 298 >

この作品をシェア

pagetop