予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 絶対に。







 


 翌日いつもより早く出社すると、廊下で吉木に出くわした。


 この時間に俺が会社にいるのは予想外だったのか、顔を見た途端「ひぇっ」と声をあげる。

 まるで幽霊にでも遭遇したかのような反応だ。
 

 驚きのあまりバランスを崩した彼女の腰に手を伸ばし支える。

「大丈夫か」

 そうたずねると、吉木は真っ赤な顔でこくこくと首を縦に振った。

 動揺したせいか目がわずかにうるんでいる。



 あー、もう。朝からかわいいな。と心の中で文句を言ってから、気を取り直し表情を引き締める。

「吉木」

 俺が名前を呼ぶと、彼女は慌てて背筋をのばし「はい」と返事をした。

「少し話がしたい。社長室に来てくれ」
「……わかりました」

 俺の強い口調に吉木は逃げ場はないとあきらめたんだろう。

 観念したようについてくる。



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