予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 きのう、威厳のある父親の前で何も言えずに黙り込んでいた吉木の姿がよみがえる。

 青ざめ肩を震わせるその様子は、小さな子供のように頼りなく見えた。



 本当はただ愛されたいのに。
 
 それを実の親にすら素直に伝えられない彼女の不器用さまで、すべて愛おしいと思った。


「すぐに判断しなくていい。そのかわり、今までみたいに避けずに、これからの俺を見てくれないか」
 
 そう懇願すると、彼女はおずおずとうなずいてくれた。

 ほっとして表情をゆるめながら時計を見る。


「そろそろ始業時間だな」
「あ、そうですね」

 俺の言葉を聞いて、彼女ははっとしたように立ち上がった。

 俺も一緒にソファから立つ。


「妊娠してから業務内容が変わって内勤になったが、ほかに配慮してほしいことはあるか?」

 出口に向かいながらたずねると、吉木は考えるように首をかしげた。

「とくには……」
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