予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 俺の反応をさぐるように、今にも泣きだしそうな不安げな視線をこちらに向けている。

 その様子を見て、胸になにかが込み上げてきた。

 なんだその表情。かわいいな。

 心の中でつぶやいて、そう感じた自分に困惑する。
 
 ……かわいい?
 
 俺は結婚にも恋愛にも興味がなかった。

 二十代のころはそれなりに遊んだり恋人を作ったりもしたが、一生を共にしたいと思うほど深い愛情を抱ける女性はひとりもいなかった。
 
 恋人たちはそんな冷めた態度の俺に焦りを感じるのか、決まって甘えたり泣いたり怒ったり、いろんな手を使って俺を繋ぎとめようとする。

 俺はそのかけひきが面倒になり、ふたりの温度差はどんどん大きくなる。
 
 結局、付き合って数か月で別れるのがいつものパターンだった。
 
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