予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 タクシーのドアに手をかけ長身をかがめると、私の耳元に唇をよせる。


「好きだよ、香澄」
「だ、だから、そうやって隙あらば甘い言葉をささやくの、やめてください……っ!」

 真っ赤な顔で苦情を言うと、社長は「ははっ」と声をあげて笑う。

「香澄に結婚してもらうために、必死なんだよ」

 いたずらっぽい表情に、頬が熱くなった。

 ドアが閉まりタクシーが動き出す。

 歩道に立つ社長が小さく手を上げる。

 そんななにげない姿まで素敵で、どきどきとはやる鼓動はなかなか落ち着いてくれなかった。
 


 私は後部座席でひとり、診察室での様子を思い出しながら大きく息を吐きだした。
 
 社長はお腹の中の赤ちゃんの姿を優しい表情でみつめていた。

 赤ちゃんが順調に育っていることを、心から喜んでくれているように見えた。


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