予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 そして念のため社長に【兄が来たので帰ります】とメッセージを送って家を出た。

 





 


 帰ってこいという父に従わず、結婚もしないまま妊娠した私を、きっと兄も怒っているだろうな。

 むりやり連れ戻されそうになったらどうしよう。

 ちゃんと説得させられるだろうか。


 
 そんな不安な気持ちのまま電車に乗り自宅へと向かう。
 
 住み慣れたマンションに到着すると、兄はすでに入り口の前に立っていた。

 私の姿を見て、「ひさしぶりだな」と目を細める。

「うん。ひさしぶり」

 私も同じ言葉をかえす。

 兄に会うのは大学を卒業して一度地元に帰ったとき以来だから、五年ぶりだ。

 兄妹とはいえ、こんなに長い間が空いての再会は緊張する。



「まだわかんないな」

 ぽつりとつぶやかれ、なんだろうと視線をあげると、兄は私のお腹を見ていた。

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