予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
「まだ全然ふくらんでいないんだなと思って」
「うん。もうすぐ四カ月なんだけど、まだまだ初期だから」
「そっか」

 兄は納得したようにうなずく。

 その表情が予想外に柔らかくて、少し戸惑った。

 てっきり顔を見た途端お説教がはじまると思っていたのに。


 
 とりあえず兄を部屋に招き入れる。
 
 お茶を入れようとした私に、兄は「お茶なんていいから、座って休めよ」と言ってくれた。
 
 慌ててここまで戻ってきてちょっと疲れていた私は、その気遣いに甘えてクッションに深く座る。

「それにしても、香澄が妊娠か。父さんから聞いてびっくりしたよ」

 本題に入られ、びくっと肩が震えた。

「ご、ごめんなさい。でも……」

 地元には帰れませんとちゃんと言わなきゃ。
 
 そう思い、おびえながらつぶやくと、兄は「なんであやまるんだよ」と私の言葉を遮った。

「え……?」

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