予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 予想外の反応に驚く。兄の表情は柔らかかった。

「これ、父さんから預かってきた」

 兄は言いながら、シンプルな封筒を取り出す。

 実家の工場名が印刷された、素っ気ない茶封筒だった。



 小さなころから何度もこの封筒を見てきた。


 実家の空気や、隣に建つ工場から聞こえてくる機械音。

 ほこりと鉄の混じったかおりを思い出し、なつかしさで胸がいっぱいになる。


「これ……」
「開けてみな」

 震える手で受け取り中を取り出す。

 入っていたのは短冊形の細長い便せんが一枚と、布でできた手のひらより少し小さいサイズのもの。
 
 それを見て、私は信じられない気持ちで息をのむ。

「お守り……」

 淡い桃色の布地に、金糸で『安産御守』と刺繍が入ったお守りだった。

 震える手で便せんを開くと、ただ一文。


『体を大事にして、元気な子を産みなさい』
 


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