予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 こうやってあらたまってたずねられると、どうしていいのかわからなくなる。


 私が真っ赤になりながら首を縦に振ると、社長は嬉しそうに笑みをこぼした。

 整った美貌が近づいてくる。

 緊張でがちがちになっている私をからかうように、柔らかい唇が一瞬ふれてすぐに離れた。


「大丈夫そうか?」

 瞳の奥をのぞきこまれ、私はどういう意味だろうと目をまたたかせる。

「つわりでハグやキスが嫌いになる人もいるらしいから」

 どこまでも過保護で優しい社長の気遣いに、「ふふっ」と声がもれた。

「大丈夫です。社長のにおい、大好きなので」

 社長の部屋に引っ越してからすこしずつ、つわりが軽くなってきたのは、人の気配があるのも一因だけど、実は社長のにおいを感じられることも大きかった。

 社長は香水も整髪料も使っていないのに、なぜかいつも私をほっとさせるにおいがする。


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