予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 吉木が「あ」と小さな声を漏らし、イヤリングを見下ろす。

「大事なものか?」

 もし吉木がほかの男からのプレゼントだと答えたら、そのまま捨ててかわりに俺が新しいものを買おう。

 そう思いながらたずねる。

「いえ、亡くなった母が残したもので……」

 その答えを聞いて、表情をやわらげる。
 
 シーツに落ちたイヤリングを拾い上げ、もう片方の耳からも丁寧に外す。

 ふたつそろえてベッドサイドのテーブルに置いた。
 
 そしてワンピースを脱がせ、組み敷く。
 
 ベッドの上でも彼女はどこまでもぎこちなく初心で、すべてがはじめてのようだった。
 
 その様子を見て、ほっとする自分がいた。
 
 廊下での電話の会話を聞いて、吉木が結婚するのかと思ったけれど、どうやら彼女には恋人はいないようだ。
 
 それどころかたぶん、恋愛経験もほとんどないんだろう。
 
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