予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 数時間陣痛に耐え、ようやく子宮口が完全に開いた。

 助産師さんや看護師さんがてきぱきと動き、個室が分娩仕様に代わる。



「濱崎さん。あとちょっとで赤ちゃんに会えますからね」

 看護師さんが私の額に浮いた汗を拭きながらはげましてくれる。

 その頃には時間の感覚を失い、今が何時かもわからなくなっていた。



 助産師さんの合図に合わせお腹に力を入れていきむけれど、赤ちゃんはなかなか出てきてくれなかった。

 陣痛のつらさといきみつづけた疲労で、意識がもうろうとしていく。

「濱崎さん、大きく呼吸をして。赤ちゃんに酸素を届けてあげる気持ちで」

 そう喝を入れられ、必死に息を吸い込む。
 
 陣痛に合わせていきむとNSTから流れる赤ちゃんの心音が弱くなる。
 
 それだけ赤ちゃんも大変なんだ。

 しっかりしなきゃと何度も自分に言い聞かせる。


 
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