予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 額にうかんだ汗が流れていくのがわかった。

 手のひらも背中も、全身汗でびっしょりだった。


「頭が見えてきてますから、もう少し頑張りましょうね」

 看護師さんの言葉に、もう少しってどれくらいだろうとぼんやりと思う。
 


 何時間も分娩台の上でいきんでいる気がする。

 こんなに痛くてつらいのに、赤ちゃんがなかなか出てきてくれないのは、私のせいなんだろうか。


 
 私に体力がないから、いきむのがへただから、赤ちゃんに苦しい思いをさせているんだろうか。

 そう思うと申し訳なくて泣きたくなる。



「うううううぅ……っ」

 いきむと同時に声を出すと、涙があふれてきた。


「濱崎さん、大丈夫? あとちょっとで生まれるから、泣かないの」
「ごめ、なさい……っ」


 泣いたらうまく呼吸ができなくて、赤ちゃんが苦しくなる。

 そうわかっているのに、涙が止められない。


 
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