予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 ひっくひっくとしゃくりあげ歯を食いしばっていると、大きな手が頬にふれた。



「香澄」


 
 誰よりも愛おしい人の声に、視線を上げる。

 そこには柊人さんの優しい微笑みがあった。


 
 来てくれたんだ……。喜びで胸がいっぱいになる。

 それまで苦しかった呼吸が急に楽になった気がした。


「柊人、さん……っ」
「遅くなってごめん」

 柊人さんは私の涙をぬぐい、額にキスをしてくれた。

「濱崎さん、次の陣痛で思いきりいきみますよ」

 看護師さんにそう言われうなずくと、柊人さんが私の手を握ってくれた。

 力強いその感触に、安心感と勇気がわいてくる。


「下に押し出す気持ちで思いきり力をいれて」
「うー……っ!」

 柊人さんの手にすがりつくように握りしめながら、全身の力を振り絞る。

「香澄、がんばれ」

 まるで柊人さんの声が赤ちゃんにも届いたみたいだった。

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