予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 それが叶わないのなら、せめて一度でいいからこの人に触れてみたい。




 
 父の命令を聞いて好きでもない人と結婚する前に、一生に一度でいいから、好きな人に触れてもらいたい。





「あの、社長……。ひとつお願いがあるんです」

 憧れの社長に『キスをしてくれませんか』とお願いするなんて、そのときの私は相当混乱して冷静さを失っていたんだと思う。






 キスをねだっただけだったはずなのに、なぜか社長は私をホテルの客室に連れ込んだ。

 女性に不自由していない彼が私なんかを相手にしたのは、たんなる気まぐれだろう。

 それか、恋愛に不慣れな私の反応が物珍しかったのかもしれない。



 ベッドの上での彼は、とても優しかった。
 
 私は最初、緊張と羞恥で全身をこわばらせるばかりだったけれど、社長はそんな反応まで楽しむように、瞳の奥を見つめながら体に触れてくる。
 
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