予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 きっと、昨日のことは他言せず忘れるようにという口止め料としてこのお金を置いていったんだろう。

 あの時間はただの戯れだったんだと、現実を突きつけられた。



 私にとっては生まれて初めての、夢みたいな時間だった。

 ずっと憧れていた社長に抱かれて、とてもとても幸せだった。



 だけど、女性と遊びなれた社長にとって、昨夜の出来事はとるにたらない日常なんだろう。



 手紙の横に置かれた現金を見て冷静になった私は、ベッドの中で小さく笑う。


 男の人が好意を持ってなくても女性を抱けることくらいちゃんとわかってるし、有能で魅力的な社長と、真面目だけがとりえのただの秘書。立場の違いはわきまえている。

「大丈夫。私は傷ついてなんていない」

 ベッドの上で膝を抱え、自分に言い聞かせるように何度も「大丈夫」と繰り返した。







 

 
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