予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 私はテーブルの下でドキドキしながら、ぎゅっときつく膝を抱える。

「なにか用事がありましたか? 戻ってきたら伝えておきますが」
「いや、いい」

 社長は短く言うと、休憩室を出ていった。

 彼の靴音が聞こえなくなったのを確認して、ようやくほぅっと息を吐きだす。

 すると、頭上からあきれたような笑い声が聞こえてきた。


「なにが普段通りよ。思いきり社長を避けてるじゃない」

 否定する言葉も見つけられなくて、無言のままテーブルの下から這い出る。

 私がイスに座り直すと、辻さんは頬杖をついてこちらを見た。


「社長はだまって出ていったけど、香澄ちゃんが隠れてるの気付いてたんじゃないかな」
「えぇっ!?」
 

 嘘。

 完全にテーブルの下に身を隠していたのに。

 いやでもあのするどい社長なら、辻さんの視線の動きで察していても不思議じゃないか……。


 
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