予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 でも、どうして。まだお腹だってぺたんこなのに……。



 頭の中でぐるぐると考えるうちに、小さく手が震えだした。

 動揺しすぎて血の気が引いたのか、急に体温が下がった気がする。


「な、何週目って、あの……」

 なんとか誤魔化そうと視線を泳がせながら口を開くと、温かな手が背中に触れた。

「香澄ちゃん、おどろかせてごめん。大丈夫。責めてるわけじゃないから」

 辻さんは私を安心させるようにゆっくりと話しながら、優しく背中をなでてくれた。

 その手の動きに合わせて呼吸をしているうちに、少しずつ動揺がおさまってくる。


「私も妊娠したばかりのころ、香澄ちゃんと同じだったの。冷たいものばかり食べて体温が下がって顔色が悪くなって。だから、もしかしてって」
「あ、あの。このことは誰にも……!」

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