予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 それが俺の功績として大々的に報じられたことで、世間にHAMASAKIの後継者は長男の俺だと深く印象付ける結果になった。

 
 けれど、その提携を決めた裏には、弟の綾人の存在があった。

 TAPSの担当バイヤーが彼の恋人だったからだ。

 
 俺が契約を決めたときはそのバイヤーの女性が綾人の恋人だとは知らなかったけれど、プレゼンをしたのが彼女じゃなかったら、俺はTAPSと一緒に仕事をしようとは思わなかっただろう。
 
 綾人がその気になれば、手柄をすべて自分のものにすることができたのに。


「綾人は、俺が社長になることに、不満はなかったのか?」

 そうたずねると、綾人は肩をあげる。

「一切ないよ。たくさんの老舗百貨店やセレクトショップが手を上げる中、ECサイトのTAPSをパートナーに選び、業績を改善させたのは兄さんだろ」
< 81 / 298 >

この作品をシェア

pagetop