予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 まるで誰かにわざと邪魔をされているようだ。
 

 けれど、そんな嫌がらせをうける理由はみつからなくて、困惑は深まり、うっ憤はたまるばかりだった。
 

 心の中で不満をもらしながらコーヒーに口をつけると、綾人が思い出したようにたずねてきた。

「そうだ、兄さん。吉木さんを俺にくれない?」
「は?」

 自分でも聞いたことがないくらい低い声がでた。

「……吉木をくれだと?」
「そう。兄さんの秘書が長江と辻さんで足りているなら、吉木さんにこっちのサポートをしてほしいなと思って」


 綾人は整った顔にさわやかな笑みを浮かべながら、俺の反応を楽しむように首をかしげる。

「吉木が綾人の秘書に……」

 綾人からの突然の提案に、口の奥でつぶやく。


 現在、綾人の秘書はひとりだ。

 副社長になり、今まで以上に外部とのやり取りが増える。

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