予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 それなのに、どうしてあの夜は吉木の誘いにのってしまったんだろう。
 


 考え込んでいると、ポーンと音がした。

 エレベーターの到着した音だと気づく。


 そういえば、吉木が同行しているときは、こうやってエレベーターを待った記憶がなかったな。
 

 俺が立ち止まっていると、辻に「どうしました?」とたずねられた。


「いや、なんでもない」

 かぶりをふってエレベーターに乗り込む。


 吉木はいつも俺が気付かないうちに先回りをして、エレベーターのボタンを押してくれていたんだと気づく。


 別にエレベーターを待たされたからといって不機嫌になるわけでも、辻のアテンドに不満があるわけでもない。

 たかが数十秒の待ち時間。

 けれど、少しでも俺の時間の無駄をなくすために、吉木はいつも気を遣ってくれていたんだ。


 
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