■王とメイドの切ない恋物語■
「マーヤです。入っていいかしら??」

マーヤさんだ。何の用かな?


私は、あわてて扉をあけた。

「リリアちゃん、これがメイドの服よ。そしてこれがエプロン」

そう言って、マーヤさんは、きれいに折りたたまれた服と、エプロンを渡してくれた。

「ありがとうございます」


私は、服を嬉しそうに受け取った。

想像していたのとはちょっと違い、淡いピンクのシンプルなワンピースに、白のエプロンだった。


すごく、かわいいよ。嬉しい。すぐ着替えようっと。

可愛いメイド服でよかった。毎日着る物だものね。

「じゃあ、がんばってね」

と、私の頭を、ぽんと叩いて、マーヤさんは、ニコッと笑い去っていった。



明日はいよいよ、王に会う日。


王より、トーマ様に会いたいのだけどね。なんて失礼なことを考えながら、お城での初日は過ぎていった。

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