■王とメイドの切ない恋物語■
あちこちで、楽しそうな笑い声が聞こえる。

なんか、結婚披露宴みたいなあたたかい、いい雰囲気だな。

私は、穏やかな気持ちで、皆を見つめた。

結婚披露宴か…。


トーマ様って、そこのところ、どう思ってるのかな?

手紙には、いつかは一緒になりたい、みたいなこと書いてあったよね。

きゃー、照れるよ。

うんうん。

あれって本当なのかな?

でも、まだ付き合ったばかり。

私はトーマ様なら、どこまでも、ついていくつもりだけどね。

まだ、先のことを考えるのは、ちょっと早いのかな。




私はトーマ様を、ちらっと見た。

あっ。

誕生日プレゼントのしおり、渡してないよ。

色々ありすぎて、すっかり忘れてた。

後で渡す時間あるといいな。

私は、前菜を配り終え、次の料理をとりにいった。

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