■王とメイドの切ない恋物語■
トーマ様の部屋につき、ノックする

「はい」

中から、トーマ様の声が聞こえる。

その瞬間、ジュリアの顔が赤くなった気がした。

「失礼します」

私たちは部屋に入った。




トーマ様と一瞬、目が合った。

でも、2人の前なので、お互いすぐ目をそらした。

「トーマ様、ラノス様をお連れしました」

「ああ、ありがとう」

ジュリアは、ずっとトーマ様を見つめている。

その表情で、トーマ様への熱い想いがわかってしまった。

やっぱり、そうだったんだね。




ラノス様が、トーマ様に近づいた。

「トーマ、元気だったか?」

「ああ」

2人の時と違い、トーマ様は、王様モードだ。




「トーマ、今回、2週間の滞在になるが、1人専属でメイドを付けたいんだが、いいか?」

「ああ、かまわない。誰かラノスの所に付くように、マーヤに言っておくよ」

トーマ様は、書類を整理しながら言った。

「この子がいいんだが」

そう言ってラノス様は、私を指差した。

え?

私…?



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