政略妻は冷徹ドクターの溺愛に囚われる~不協和結婚~
那智はぼんやりと目線を下げていき、無意識にひくりと喉を鳴らした。
彼女の華奢な身体を跨いで膝立ちになった男は、薄い唇に避妊具を咥えた。
ピッと小さな音を立てて破る様を見て、那智の肌は総毛立つ。
「い、や……。嫌、蓮見先生、待って……!!」
涙声で絶叫して、身を捩って縮こまりながら、懇願する。
『蓮見先生』と呼ばれた男は、不快げに眉根を寄せ、顎を引いて彼女に目を落とした。
「なにが嫌だ。お前は今日から俺の妻。初夜を拒むとは、どういう無礼だ」
彼の主張は正しくごもっともだけど、那智はひたすら首を横に振って拒む。
「ごめんなさい……でも、先生、私に……」
「お前が心で誰を想っていようが、妻になったからには、夫婦生活にも付き合ってもらう。当然の要求だ」
容赦ない宣告――。
ここまで我慢していた嗚咽が込み上げ、堰を切り、ひくっとしゃくり上げた。
彼女の大きく円らな目に一気に涙が溢れ返り、その粒がぽってりした下目蓋を越えて、次々とこめかみに流れていく。
両手で顔を覆い、子供のように泣きじゃくる彼女に、男は忌々し気に深く長い息を吐き――。
彼女の華奢な身体を跨いで膝立ちになった男は、薄い唇に避妊具を咥えた。
ピッと小さな音を立てて破る様を見て、那智の肌は総毛立つ。
「い、や……。嫌、蓮見先生、待って……!!」
涙声で絶叫して、身を捩って縮こまりながら、懇願する。
『蓮見先生』と呼ばれた男は、不快げに眉根を寄せ、顎を引いて彼女に目を落とした。
「なにが嫌だ。お前は今日から俺の妻。初夜を拒むとは、どういう無礼だ」
彼の主張は正しくごもっともだけど、那智はひたすら首を横に振って拒む。
「ごめんなさい……でも、先生、私に……」
「お前が心で誰を想っていようが、妻になったからには、夫婦生活にも付き合ってもらう。当然の要求だ」
容赦ない宣告――。
ここまで我慢していた嗚咽が込み上げ、堰を切り、ひくっとしゃくり上げた。
彼女の大きく円らな目に一気に涙が溢れ返り、その粒がぽってりした下目蓋を越えて、次々とこめかみに流れていく。
両手で顔を覆い、子供のように泣きじゃくる彼女に、男は忌々し気に深く長い息を吐き――。