小悪魔王子に見つかりました
「おバカと鈍感に挟まれて、寧衣くんも大変ね〜」
和子ちゃんが「心の底から同情するよ」と笑う。
「は、なんか今ものすっごい悪口言われた気がする!」
まだ寧衣くんに目隠しされたまま話す尾崎くんがおかしくて私まで笑ってしまう。
「悪口言われてるって自覚あるだけマシかもね」
と付け足す羽芽ちゃん。
ほんとみんな尾崎くんに容赦ないな……。
「そろそろ行かないとまじで遅れるよ?」
苦笑いした陽香ちゃんの声に、みんなが「そうだ」と踵を返してふたたびグラウンドに向かった瞬間。
「浅海さんっ」
大好きな声に小さく名前を呼ばれて足を止めた。
みんなは寧衣くんの声に気付かずに背中を向けたまま。どんどんとその背中が小さくなっていく。