小悪魔王子に見つかりました
放送委員が二人三脚リレーについて説明をした後、
朝礼台に立った体育の先生が、スターターピストルを真上に掲げた。
ついに……はじまる。
「位置についてーー!!」
周りの応援団の声がピタッと聞こえなくなって。
シンっと一気に会場からいろんな音が消える。
あぁ、どうしよう。
さすがに緊張しない方がおかしいよね。
自分の胸にさりげなく手を当てれば、バクバクとうるさい。
けど、怖いとかそういうんじゃなくて。
いや、ちゃんと走れるかなって不安が全くないわけじゃないけど。
ワクワクドキドキ、しているんだ。
「よーーーーい!!」
パンッ!!
大きな銃声音が空に向かって響いた。
その瞬間、第一走者の生徒たちが一斉に走り出す。
「頑張れーー!!」
「行けーー!!」
グラウンドにはふたたび、声援とBGMが聞こえて。
「さぁー!最初にトップに躍り出たのは3組!!」
放送委員の熱の入った実況が加わって。
私たちのリレーが始まった。