小悪魔王子に見つかりました
「こりゃ難しいかも……」
後半戦。
私たちのクラスは少しずつ追い上げを見せてただいま4位。
けど、残りの走者はアンカーの私たちを合わせてあと3組だ。
緊張で、手汗が止まらない。
「よし、行こう」
「う、うんっ」
木野くんの声で、ともにレーンに向かう。
練習通り、うまく走れますようにっ。
何回したかわからない祈りを目をギュッと瞑ってした瞬間、
何やら会場が一気にどよめき出した。
な、なに?!
びっくりして目を開けると、すぐに興奮した実況がグラウンドいっぱいに響き渡った。
「なんと!!!4位だった1組が!!!ごぼう抜きです!!!トップは1組!!1組です!!」
えっ。
今、なんて。
1組って、私たちだよね?
周りのクラスメイトも、大はしゃぎ。
びっくりして飛び上がってる人もいる。
その中には、「最上くん」や「寧衣くん」って声があちこちから聞こえて。
こちらに向かって走る彼らに目を向ければ。
寧衣くんとクラスメイトの志田くんがトップで走っていた。
なんてことだ。
ふたりが、追い抜いたんだ。