小悪魔王子に見つかりました
「言ったでしょ、寧衣がいるから大丈夫だって」
口角をわずかに上げた木野くんが、走ってくる彼らを見ながら満足そうにいう。
「っ、うん。すごいね、寧衣くん」
ほんと、すごすぎるよ。
すっごくスピード速いのに、本人は全然涼しそうな顔をしているんだから。
「志田の方は顔が死んでるけど」
木野くんに言われて視線を志田くんに合わせれば、
本当に白目を剥くギリギリって感じで走っていて、すごく申し訳ないけど、その顔が面白くて笑いそうになる。
「っ、寧衣くんに合わせるって必死だね」
「あれもう走ってるというよりは引っ張られてるだけ」
「ふふっ、うんっ」
また少し緊張が和らいで。
「よし、そろそろ来る。楽しもう、浅海さん」
木野くんの声に力強く頷く。
2位のクラスとだいぶ差をつけて、寧衣くんたちがカーブを曲がって走ってくる。
いよいよだ。
大丈夫。
このままいけば、優勝だ。