小悪魔王子に見つかりました
小さなひとつがきっかけで、それは雪崩みたいに全てを壊していく。
「浅海さんっ──!!」
木野くんの声が耳元に届いた。
身体が前に倒れそうになって、条件反射で目を閉じる。
どうしよう、立て直さなきゃ。
そんな気持ちとは正反対に、身体は言うことを聞かなくて。
「──っ、」
気がつけば、ズリッという砂と身体の擦れる音と砂ぼこりが私たちを包み込んでいた。
倒れたまま目を開けると、木野くんの真っ黒の髪が視界いっぱいに広がっていて。
頬に柔らかい何かが当たってる感触がした。
これって……。
「おっと?!トップの1組!!ゴール直前でまさかの転倒か?!」
追い討ちをかけるかのように、放送委員の実況が響きわたる。
「これは……大丈夫でしょうか、心配です。救護を呼んだ方が───」
「ったぁ……」
私の上に覆い被さっていた木野くんがゆっくり身体を起こしたのと同時に、
体育の先生が慌てて私たちの方へやってきた。