小悪魔王子に見つかりました

「浅海さんだよ」

「「「「えぇー?!?!」」」」

寧衣くんの声を聞いて、教室中がそんな声を上げた。

この反応は、いったい……。

高校に上がって一度もちゃんとしっかり見せたことのない素顔がみんなの前で露わになって。

どういう顔をしていいのかわからないまま目を下に泳がせたまま固まっていると。

「……浅海ちゃんっ!?!?やっぱりあの時私のこと助けてくれた美少女天使は、浅海ちゃんなの!?」

っ!?

突然、誰かに両手を掴まれたのでとっさに顔を上げれば、

上手にメイクされた綺麗な顔が真正面にあった。

「い、い、井手上さん……?」

『助けてくれた美少女天使』

そんなワードが井手上さんの口から出てきた気がするけれど、何の話をしているかさっぱりで。

井手上さんに手を握られていることでかなり頭はパニックなのに、

「浅海さん、髪の毛あげて大正解だよー!」

「すっごいかわいい!!」

気がつけば、彼女と同じグループの女の子たちにも囲まれてしまっていた。
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