イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
「は〜〜」
母に電話をするのにこんなに緊張するのは久しぶりだ。
私はスマホを持ったまま何度もため息をついた。
日曜日に迫ったお見合いを断るためだ。
私はテーブルの上のメモを手に取るともう一度ため息を吐いた。
メモには専務からの指示が書いてあったのだ。
遡ること数時間前。
「汐田課長、悪いが鴨居君に大事な話があるから席を外して欲しい」
「大事な……ですか?」
汐田課長はチラリと視線だけを私に向けた。
「大事な話だ」
キッパリというもんだから汐田課長も時計を見ながら諦めた様子で
「かしこまりました。二十分後には車がきます。それまでに着替えもすませておいてください」
と言って専務室を後にした。
ドアが閉まる音とともに私は専務に近寄る。
「専務、課長にあんな言い方しなくても……」
「じゃあ、日曜日のお見合いの打ち合わせをするからといえばいいのか?」
「それは……」
昨夜は、俺が君を惚れさせる的なことを言っていた専務だが、仕事ではそういった雰囲気を一切ださなかった。
やっぱりあれは夢だったのでは? そう思ったのだが、明日のスケジュールの変更があり、その報告をしている時にいきなりあんなことをいいだしたので私は戸惑った。
「これからパーティーがあるだろ? 帰りがいつになるか分からないし、君のご両親にも早いうちに連絡しておかないとまずいのでは?」
たしかにそうだけど……専務室じゃなくても電話やメールでできるのでは?
「わかりました。実は今日母に電話しようと思ってるのですが、私はどうしたらいいですか? 母にお見合いはしないと言って専務の名前をいえばいいですか?」
すると専務は私に一枚のメモを差し出した。
母に電話をするのにこんなに緊張するのは久しぶりだ。
私はスマホを持ったまま何度もため息をついた。
日曜日に迫ったお見合いを断るためだ。
私はテーブルの上のメモを手に取るともう一度ため息を吐いた。
メモには専務からの指示が書いてあったのだ。
遡ること数時間前。
「汐田課長、悪いが鴨居君に大事な話があるから席を外して欲しい」
「大事な……ですか?」
汐田課長はチラリと視線だけを私に向けた。
「大事な話だ」
キッパリというもんだから汐田課長も時計を見ながら諦めた様子で
「かしこまりました。二十分後には車がきます。それまでに着替えもすませておいてください」
と言って専務室を後にした。
ドアが閉まる音とともに私は専務に近寄る。
「専務、課長にあんな言い方しなくても……」
「じゃあ、日曜日のお見合いの打ち合わせをするからといえばいいのか?」
「それは……」
昨夜は、俺が君を惚れさせる的なことを言っていた専務だが、仕事ではそういった雰囲気を一切ださなかった。
やっぱりあれは夢だったのでは? そう思ったのだが、明日のスケジュールの変更があり、その報告をしている時にいきなりあんなことをいいだしたので私は戸惑った。
「これからパーティーがあるだろ? 帰りがいつになるか分からないし、君のご両親にも早いうちに連絡しておかないとまずいのでは?」
たしかにそうだけど……専務室じゃなくても電話やメールでできるのでは?
「わかりました。実は今日母に電話しようと思ってるのですが、私はどうしたらいいですか? 母にお見合いはしないと言って専務の名前をいえばいいですか?」
すると専務は私に一枚のメモを差し出した。