イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
部屋の一番端に専務の私物や予備のシャツなどがはいっているワードローブがある。
扉を開けると仕立ての良さそうな少し光沢のはいったグレーのスーツとシャツ、そしてネクタイのセットがかかっていた。
それを取り出し専務に渡す。
だが専務は受け取ろうとしない。
「専務?」
すると専務はジャケットを脱ぎ始めた。
私は慌ててソファの背にスーツを置くと、専務が脱いだジャケットを受け取った。
「あ、あの……」
なんと声をかければいいのか分からず、あたふたする私をよそに、専務はシャツのボタンに手をかけた。
まさかここで着替えを?
「専務?」
声をかける頃にはもう脱いだシャツを私に差し出していた。
「着替えを頼む」
「え? それは」
専務はわかるだろと言いたげに軽く息を吐くと「シャツを着せてくれ」といった。
何がなんだか分からないままシャツをさしだすと、「そうじゃない」と言って腕を横にのばした。
私は恐る恐る専務の腕に袖を通す。そして後ろに回って反対の腕にも袖を通す。
これでいいのかなと思っていると「ボタンもな」とさも当たり前のように指示を出す。
戸惑いながら専務と向き合う。ボタンをかけるにはかなり近づかないとかれられない。
ドキドキしながら一歩近づく。
これなら大丈夫と思ったが、顔を上げるとすぐそこに専務の顔があって、かなりの至近距離に緊張が増す。
案の定、緊張でボタンがうまくかけられない。
そのときだった
扉を開けると仕立ての良さそうな少し光沢のはいったグレーのスーツとシャツ、そしてネクタイのセットがかかっていた。
それを取り出し専務に渡す。
だが専務は受け取ろうとしない。
「専務?」
すると専務はジャケットを脱ぎ始めた。
私は慌ててソファの背にスーツを置くと、専務が脱いだジャケットを受け取った。
「あ、あの……」
なんと声をかければいいのか分からず、あたふたする私をよそに、専務はシャツのボタンに手をかけた。
まさかここで着替えを?
「専務?」
声をかける頃にはもう脱いだシャツを私に差し出していた。
「着替えを頼む」
「え? それは」
専務はわかるだろと言いたげに軽く息を吐くと「シャツを着せてくれ」といった。
何がなんだか分からないままシャツをさしだすと、「そうじゃない」と言って腕を横にのばした。
私は恐る恐る専務の腕に袖を通す。そして後ろに回って反対の腕にも袖を通す。
これでいいのかなと思っていると「ボタンもな」とさも当たり前のように指示を出す。
戸惑いながら専務と向き合う。ボタンをかけるにはかなり近づかないとかれられない。
ドキドキしながら一歩近づく。
これなら大丈夫と思ったが、顔を上げるとすぐそこに専務の顔があって、かなりの至近距離に緊張が増す。
案の定、緊張でボタンがうまくかけられない。
そのときだった