イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
私は専務の手を取り引っ張った。
だけど専務は全身の力を抜いているせいかびくともしない。
「え? なんで?」
「早くしないと料理が来ちゃうよ」
なんだか楽しんでいる様子。
「わかってます。でも修平さんが」
「俺が何?」
「わざと力いれてないですよね」
軽く睨むとニヤリと笑った。
「力入れてるって。ほらもう一回頑張れ、陽奈」
「もう、これが最後ですからね」
私は渾身の力を込めて引っ張った。すると専務がすくっと起き上がったのだが、力を入れ過ぎた私の方がのけぞりそうになった。
すると専務が私を引き寄せたのだが、バランスを崩し、私は専務に覆いかぶさってしまった。
結果、私が押し倒してしまったような感じになってしまった。
慌てて起き上がろうとするが、専務が私を離してくれない。
「修平さん?」
「何逃げようとしてるの?」
「いえ、あの……」
でも本当はこんな密着してたら私のドキドキが伝わってしまうのではと思ったからだ。
「ドキドキしてる?」
やっぱりもうバレていた。
「はい。ドキドキしてます」
素直に白状すると、専務が私をギュッと抱きしめた。
「そんな可愛いこと言ったら……このままキスしたくなるだろ?」
「え? それは」
「本当に無自覚って怖いな」
専務の言っていることが理解できなかった。
その時だった。
襖の向こうから「お待たせいたしました」という声が聞こえた。
私たちはさっと起き上がった。
そして専務は座布団に座り、私は顔の火照りを鎮めるために窓の近くでたった。
だけど専務は全身の力を抜いているせいかびくともしない。
「え? なんで?」
「早くしないと料理が来ちゃうよ」
なんだか楽しんでいる様子。
「わかってます。でも修平さんが」
「俺が何?」
「わざと力いれてないですよね」
軽く睨むとニヤリと笑った。
「力入れてるって。ほらもう一回頑張れ、陽奈」
「もう、これが最後ですからね」
私は渾身の力を込めて引っ張った。すると専務がすくっと起き上がったのだが、力を入れ過ぎた私の方がのけぞりそうになった。
すると専務が私を引き寄せたのだが、バランスを崩し、私は専務に覆いかぶさってしまった。
結果、私が押し倒してしまったような感じになってしまった。
慌てて起き上がろうとするが、専務が私を離してくれない。
「修平さん?」
「何逃げようとしてるの?」
「いえ、あの……」
でも本当はこんな密着してたら私のドキドキが伝わってしまうのではと思ったからだ。
「ドキドキしてる?」
やっぱりもうバレていた。
「はい。ドキドキしてます」
素直に白状すると、専務が私をギュッと抱きしめた。
「そんな可愛いこと言ったら……このままキスしたくなるだろ?」
「え? それは」
「本当に無自覚って怖いな」
専務の言っていることが理解できなかった。
その時だった。
襖の向こうから「お待たせいたしました」という声が聞こえた。
私たちはさっと起き上がった。
そして専務は座布団に座り、私は顔の火照りを鎮めるために窓の近くでたった。