イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
「え? あの……恋の悩みだなんて」
専務とのことがバレた? 一気に緊張が走る。
「唐突にごめんなさい。でも……私は知ってるのよ。あなたと専務のこと」
私は口をあわあわしながらなんて答えるのがベストなのかと考えるが、何も浮かばない。
そんな私を無視するかのように田辺さんは話を続ける。
「自分のことを話さずにあなたにばかり質問するのはフェアじゃないわね。私、汐田と付き合ってるの」
「ええ?!」
これには本当に驚いた。
だけど、2人が並んだ姿はお似合いだったし。
「あら、そんなに驚くこと? これでもかれこれ三年?」
「三年ですか……」
「専務がなぜあなたを手元に置いたのかもすべて知っているし、専務があなたに好意を持っていることも知ってる。最近はいい感じだったからうまくいってるんだなって思ったけど……今日は心ここにあらずだったわね」
どうしよう。何もかも知っている田辺さんに、専務のことを聞くべきか。
でも昨日の話は専務がまだ教師だった頃の話。
無駄に驚かせるだけだ。
「あの……田辺さんと汐田課長の間で秘密にしてることってありますか?」
「秘密? ん〜ないこともないかな」
あるんだ。
「あるんですか?」
「そんなの誰だってあるわよ。それを言わないことが相手への優しさだったりするし、話すべき時が来た時ははなすわよ」
そういうものなんだ。
隠し事をされているわけではない。ただ、第三者からの情報。
もしかしたら深い理由があるかもしれない。
「でも鴨居さんが不安になっていることがあって、抱えているのが辛い時は思い切ってぶつけてみることも必要かも、一人で悩んで憶測だけが一人歩きすることが一番ダメなパターンよ」
「そうですよね。ありがとうございます」