イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
専務は後部座席に子供と女性を乗せると車を走らせた。
私はその場に立ち尽くし、専務たちの姿をただ見ていることしかできなかった。
本を買いに行く意欲は失せ、気がつくと電車に乗っていた。
用事があると言ったのは彼女たちに会うため。
仕事だと言って会いに行った訳じゃないから嘘をつかれてるとは違う。
だけどなんで正直に言ってくれなかったのだろう。
それとも言えない関係なの?
綾のいう通り、女性は教え子で子供は専務の子供なの?
疑いたくないけど、専務が先生だった頃の人気をよく知っていただけに、専務にかぎってそんなことはないと断言できない自分がいた。
家に着いた頃にはもう、本を買うと意気込んでいたテンションは遠い過去の様に感じ、力が抜ける様にベッドに突っ伏した。
頭の中もモヤモヤで埋め尽くされ、何もしたくない。
恋をするってこういうデメリットもあるのだと思い知る。
綾にもっと詳しいことを聞きたい気持ちもあるが、自分がもし専務の立場なら、他人から聞いた言葉を魔に受けるということは相手を信頼していない証拠だし、憶測で判断するのもされるのも嫌だ。
だけど、どうしたらいいの?
っていうか、何も手につかないほど自分が専務に夢中だったことに驚いている。
でももしあの子供が本当に専務の子供だとしたら? 
だめだめそんなこと考えてたらキリがない。
やっぱりここは、本人に直接あって話を聞く。
これに限るでしょう。
でも……今は何もしたくないよ〜。
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