契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
梨乃が話に割って入って田所を止めた。
「おっとごめん」
梨乃にじろりと睨まれて、田所が慌てて口を噤む。その向こうで、孝也が晴香をジッと見て口を開いた。
「北見さんが営業マンに人気があるなんて、初耳だな」
どこからどう聞いても穏やかな副社長の口調、でも晴香を見る瞳の中になんとなく穏やかじゃないものが浮かんでいる。
その視線に、晴香はこの間の夜孝也がみせた独占欲を思い出していた。
孝也はたとえ恋愛感情なしの形だけの妻であっても、晴香が他の男性と親しくすることは許せないらしい。
でもだからって、今の田所の言葉は本当に冗談なのに…。
晴香は少し慌てて首を振った。
「そ、そんなわけないじゃないですか。もうっ、店長。い、いい加減なこと言わないで下さい! 副社長が本気にされますよ」
「ははは、ごめんごめん。でも嘘ってわけじゃないんだよ。今度の交流会で仲良くなれたらいいなって言ってる奴がいるのは事実だから」
田所が邪気なく言うのを少し憎らしく感じながらもう何も言わない方がいいのかもしれないと思い晴香は口を噤む。相変わらず、孝也の視線が痛かった。
すると今度は七瀬が口を開いた。
「交流会かぁ…」
そしてまだ諦めてないぞと、孝也に意味ありげな視線を送る。
「副社長はその晴香先輩似の彼女さんと結婚するおつもりなんですか?」
そうじゃないなら、やっぱり交流会に来てほしいといわんばかりだった。
だが孝也はその彼女の希望をあっさりと打ち砕くようなとんでもない言葉を口にした。
「おっとごめん」
梨乃にじろりと睨まれて、田所が慌てて口を噤む。その向こうで、孝也が晴香をジッと見て口を開いた。
「北見さんが営業マンに人気があるなんて、初耳だな」
どこからどう聞いても穏やかな副社長の口調、でも晴香を見る瞳の中になんとなく穏やかじゃないものが浮かんでいる。
その視線に、晴香はこの間の夜孝也がみせた独占欲を思い出していた。
孝也はたとえ恋愛感情なしの形だけの妻であっても、晴香が他の男性と親しくすることは許せないらしい。
でもだからって、今の田所の言葉は本当に冗談なのに…。
晴香は少し慌てて首を振った。
「そ、そんなわけないじゃないですか。もうっ、店長。い、いい加減なこと言わないで下さい! 副社長が本気にされますよ」
「ははは、ごめんごめん。でも嘘ってわけじゃないんだよ。今度の交流会で仲良くなれたらいいなって言ってる奴がいるのは事実だから」
田所が邪気なく言うのを少し憎らしく感じながらもう何も言わない方がいいのかもしれないと思い晴香は口を噤む。相変わらず、孝也の視線が痛かった。
すると今度は七瀬が口を開いた。
「交流会かぁ…」
そしてまだ諦めてないぞと、孝也に意味ありげな視線を送る。
「副社長はその晴香先輩似の彼女さんと結婚するおつもりなんですか?」
そうじゃないなら、やっぱり交流会に来てほしいといわんばかりだった。
だが孝也はその彼女の希望をあっさりと打ち砕くようなとんでもない言葉を口にした。