契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
 慎重で常識的な考え方の晴香にこの結婚を受け入れてもらうために、孝也の方も慎重に慎重に彼女を説得した。彼女にとってのメリットをひとつひとつ挙げていって…。
 そういえばデメリットに関してはまったく触れなかったと孝也は今更ながら自分自身に苦笑する。普段商談の場では、必ずデメリットまで含めて丁寧に説明することを信条としているのに。
 それほど必死だったということなのだろうが、これでは健太郎に"姉ちゃんは丸め込まれた"と言われても仕方がないのかもしれない。
 兎にも角にも孝也の説得はうまくいき、ついに晴香を妻にできた。
 だが一方で結婚をしてすぐそばにいながら、いつまでも"姉弟もしくはお友達"の関係で孝也が満足できるはずもなかった。
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