契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
美紀がそうぼやきながら、晴香を見る。その意味ありげな視線に晴香はビールもうひと口飲んでから首を傾げた。
美紀がニヤリとして言葉を続けた。
「ほら、久我君が結婚しちゃったから…」
そういえば弟夫婦に結婚を報告した時にそんなことを言っていたようなと思いあたって晴香は少し驚いた。
「同窓会、本当になかったの?」
美紀が嬉しそうに頷いた。
「私が言った通りになりました」
一方で、そうはいっても孝也のことが原因だとは限らないと晴香は思う。同窓会なんて偶然にでも同級生に会えば、とりあえずはやろうなんて話になるけれど、実現しないことの方が多いものだ。
それをそのまま口にした晴香に、美紀は、
「いや、絶対に久我君の結婚が原因です」
と言い切った。
「幹事グループが女の子たちですからね。そりゃ久我君は忙しいから毎回来られるとは限らなかったけど、"来るかもしれない"って思うだけど気合が入るってみんな言ってましたから。大体五月、八月、お正月の長期休みにはその話が出るんですけど、先月久我君が結婚したことをけんちゃんが同級生に広めましたから、皆んなショックから立ち直れていないんですよ」
そう言って美紀はまたニヤリと笑った。
「なんせ、私に問い合わせのメールが殺到していましたから」
「美紀ちゃんに?」
「そう。久我君が結婚したっていうのは本当なのかってね。それを私、ことごとく肯定していったんです! ラブラブだよって。みんなものすごく残念そうでした」
そう言ってふふふと笑う美紀を、晴香は呆れたように見た。
肯定するだけならまだしもラブラブだなんて言う必要がないのに…。意外とこの子Sなのかしら?
「私、けんちゃんと付き合い出した時に彼女たちに、言われたんですよ。本当は久我君が目当てなんじゃないの?って。久我君とけんちゃんが幼なじみで仲良しなのはみんな知っていましたから。もちろん本当に仲のいい子たちはそんなことを言わなかったですけど、久我君の彼女になりたくて仕方がなかった子たちにとっては目障りだったのかも。お姉さんが久我君と結婚してくれたおかげで、私なんだかリベンジができたような気分です」
美紀がニヤリとして言葉を続けた。
「ほら、久我君が結婚しちゃったから…」
そういえば弟夫婦に結婚を報告した時にそんなことを言っていたようなと思いあたって晴香は少し驚いた。
「同窓会、本当になかったの?」
美紀が嬉しそうに頷いた。
「私が言った通りになりました」
一方で、そうはいっても孝也のことが原因だとは限らないと晴香は思う。同窓会なんて偶然にでも同級生に会えば、とりあえずはやろうなんて話になるけれど、実現しないことの方が多いものだ。
それをそのまま口にした晴香に、美紀は、
「いや、絶対に久我君の結婚が原因です」
と言い切った。
「幹事グループが女の子たちですからね。そりゃ久我君は忙しいから毎回来られるとは限らなかったけど、"来るかもしれない"って思うだけど気合が入るってみんな言ってましたから。大体五月、八月、お正月の長期休みにはその話が出るんですけど、先月久我君が結婚したことをけんちゃんが同級生に広めましたから、皆んなショックから立ち直れていないんですよ」
そう言って美紀はまたニヤリと笑った。
「なんせ、私に問い合わせのメールが殺到していましたから」
「美紀ちゃんに?」
「そう。久我君が結婚したっていうのは本当なのかってね。それを私、ことごとく肯定していったんです! ラブラブだよって。みんなものすごく残念そうでした」
そう言ってふふふと笑う美紀を、晴香は呆れたように見た。
肯定するだけならまだしもラブラブだなんて言う必要がないのに…。意外とこの子Sなのかしら?
「私、けんちゃんと付き合い出した時に彼女たちに、言われたんですよ。本当は久我君が目当てなんじゃないの?って。久我君とけんちゃんが幼なじみで仲良しなのはみんな知っていましたから。もちろん本当に仲のいい子たちはそんなことを言わなかったですけど、久我君の彼女になりたくて仕方がなかった子たちにとっては目障りだったのかも。お姉さんが久我君と結婚してくれたおかげで、私なんだかリベンジができたような気分です」