契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
どんな相手なのか晴香には想像もつかないけれど、それだけ長い間想い続けていたのならば相当好きだったということなのだろう。そんな相手に彼は三年前、失恋したという。
三年前といえばつい最近のことじゃないか。晴香だって同じ時期に失恋をして、そこから本当の意味で立ち直れたのはついこの前のことなのだ。愛する人に選んでもらえなかったという胸の痛みは、なかなか消えてはくれない。
その時、頭の中でパチンとパズルのピースがはまるような音がして、晴香はハッとした。
もし孝也がまだその人を忘れられていないとしら?
この結婚はメリットのある結婚だ。でもそれは考えてみれば晴香にとってのメリットばかりなように思う。将来に対する晴香と晴香の家族の不安が解消されて…。
では孝也にとってのメリットは?
社長からの縁談を穏便に断れた?
でもこれだって約束はしていないから自力で断れると言っていた。そしてそれ以外に孝也にとってのメリットを晴香は思い浮かべることができない。
…孝也にとってのメリットは驚くほどに少ない。
でもそんなことがあるだろうか。話を持ちかけたのは孝也の方なのに?
『俺だって家庭を持ちたい』と彼は言った。それは晴香にとっても憧れだったのだからその気持ちはわかりすぎるほどよくわかる。でもやっぱり二十八歳の男性が抱く願いとしては少し違和感が残る。仮に本当に孝也がそう思っていたとしても彼ならこれからいくらでもいい人に巡り合えるはずなのに。
…どうして今、恋愛感情のない晴香と急いで結婚する必要があったのだろう。
三年前といえばつい最近のことじゃないか。晴香だって同じ時期に失恋をして、そこから本当の意味で立ち直れたのはついこの前のことなのだ。愛する人に選んでもらえなかったという胸の痛みは、なかなか消えてはくれない。
その時、頭の中でパチンとパズルのピースがはまるような音がして、晴香はハッとした。
もし孝也がまだその人を忘れられていないとしら?
この結婚はメリットのある結婚だ。でもそれは考えてみれば晴香にとってのメリットばかりなように思う。将来に対する晴香と晴香の家族の不安が解消されて…。
では孝也にとってのメリットは?
社長からの縁談を穏便に断れた?
でもこれだって約束はしていないから自力で断れると言っていた。そしてそれ以外に孝也にとってのメリットを晴香は思い浮かべることができない。
…孝也にとってのメリットは驚くほどに少ない。
でもそんなことがあるだろうか。話を持ちかけたのは孝也の方なのに?
『俺だって家庭を持ちたい』と彼は言った。それは晴香にとっても憧れだったのだからその気持ちはわかりすぎるほどよくわかる。でもやっぱり二十八歳の男性が抱く願いとしては少し違和感が残る。仮に本当に孝也がそう思っていたとしても彼ならこれからいくらでもいい人に巡り合えるはずなのに。
…どうして今、恋愛感情のない晴香と急いで結婚する必要があったのだろう。