契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
「久我君とお姉さんが結婚するって聞いた時、私ぴーんときたんです。噂の人はお姉さんだったのか!って。だってずっと久我君の近くにいましたもんね」
「まさか!」
あまりにもありえない美紀の言葉に、晴香は反射的に声をあげてしまう。
美紀が驚いたようにぽかんと口を開けた。
「お姉さん…?」
「あ…、それは…たぶん違う」
晴香は慌てて言い直した。本当に美紀の言う通りだったとしたらどんなにいいだろうと思いながら。
「孝也が、私にそういう気持ちになったのは最近なの。はっきりそう言ってるのを聞いたから、それは間違いないと思う」
美紀が驚いたように目を開いて、それから申し訳なさそうに眉を寄せた。
「そうなんですか、私てっきり…。だとしたらごめんなさい。私余計な話をしちゃったのかも。思い込みで話をするなって、けんちゃんにはいつも注意されてるのに」
しょんぼりとする美紀に、今度は晴香の方が申し訳ない気持ちになった。
美紀は晴香と孝也が恋愛感情なしのお友達結婚をしたなんて知らないのだからそんな風に勘違いをしてしまうのは仕方がないだろう。
「気にしないで、どっちにしてももう結婚したんだから。私にだって昔付き合った人くらいいるんだから、お互い様でしょう?」
努めて明るく晴香は言う。じくじくとする胸の痛みに堪えながら。
美紀が少しだけ安心したように頷いた。
「そうですよね。それにもしお姉さんの言う通りだったとしたら、噂の人を忘れられるくらいお姉さんを好きになったってことなんだから、そっちの方が最強です!」
「…そうね」
相槌を打つ自分の声がどこか遠く聞こえて、晴香は密かに唇を噛んだ。
「まさか!」
あまりにもありえない美紀の言葉に、晴香は反射的に声をあげてしまう。
美紀が驚いたようにぽかんと口を開けた。
「お姉さん…?」
「あ…、それは…たぶん違う」
晴香は慌てて言い直した。本当に美紀の言う通りだったとしたらどんなにいいだろうと思いながら。
「孝也が、私にそういう気持ちになったのは最近なの。はっきりそう言ってるのを聞いたから、それは間違いないと思う」
美紀が驚いたように目を開いて、それから申し訳なさそうに眉を寄せた。
「そうなんですか、私てっきり…。だとしたらごめんなさい。私余計な話をしちゃったのかも。思い込みで話をするなって、けんちゃんにはいつも注意されてるのに」
しょんぼりとする美紀に、今度は晴香の方が申し訳ない気持ちになった。
美紀は晴香と孝也が恋愛感情なしのお友達結婚をしたなんて知らないのだからそんな風に勘違いをしてしまうのは仕方がないだろう。
「気にしないで、どっちにしてももう結婚したんだから。私にだって昔付き合った人くらいいるんだから、お互い様でしょう?」
努めて明るく晴香は言う。じくじくとする胸の痛みに堪えながら。
美紀が少しだけ安心したように頷いた。
「そうですよね。それにもしお姉さんの言う通りだったとしたら、噂の人を忘れられるくらいお姉さんを好きになったってことなんだから、そっちの方が最強です!」
「…そうね」
相槌を打つ自分の声がどこか遠く聞こえて、晴香は密かに唇を噛んだ。