契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
彼の言葉に晴香は心底びっくりしてしまう。それとなく話を持ちかけられていたなんて、全然気がつかなかった。
でも同時に、晴香が鈍感なのは自分に対してだけではないと言った孝也の言葉が頭に浮かんで、「ほらね」とでもいうような孝也の視線から逃げるように目を逸らした。
孝也が気を取り直したように営業マンに向かって、にっこりとした。
「そりゃあもう、ありとあらゆることをしたよ。僕も相当時間がかかったから、大したことは言えないけど。アドバイスできることがあるとするなら、なりふり構わずいけってことくらいかなぁ…しかも最終的には、モノで釣ったんだよ」
「え⁈」
晴香はまたもやびっくりして、目を剥いた。そんなの全然身に覚えがない。
営業マンもびっくりして、
「モノですか⁈」
と声をあげた。
「そう。田所店長なら知っているかもしれない。晴香は物件おたくなんです。特に新築マンションが大好きだ」
田所が、「あぁ」と呟いて頷いた。
「出先でパンフレットをもらってくるとすごく喜んでくれますよ」
「そうなんです。しかもそれ、丁寧にファイリングしてあるんですよ。おすすめポイントを付箋に書いてぺたぺた貼って…」
でも同時に、晴香が鈍感なのは自分に対してだけではないと言った孝也の言葉が頭に浮かんで、「ほらね」とでもいうような孝也の視線から逃げるように目を逸らした。
孝也が気を取り直したように営業マンに向かって、にっこりとした。
「そりゃあもう、ありとあらゆることをしたよ。僕も相当時間がかかったから、大したことは言えないけど。アドバイスできることがあるとするなら、なりふり構わずいけってことくらいかなぁ…しかも最終的には、モノで釣ったんだよ」
「え⁈」
晴香はまたもやびっくりして、目を剥いた。そんなの全然身に覚えがない。
営業マンもびっくりして、
「モノですか⁈」
と声をあげた。
「そう。田所店長なら知っているかもしれない。晴香は物件おたくなんです。特に新築マンションが大好きだ」
田所が、「あぁ」と呟いて頷いた。
「出先でパンフレットをもらってくるとすごく喜んでくれますよ」
「そうなんです。しかもそれ、丁寧にファイリングしてあるんですよ。おすすめポイントを付箋に書いてぺたぺた貼って…」