契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
梨乃は、開店準備という仕事があるにも関わらず、七瀬がギリギリまで出社しないことに腹を立てているのだ。
でも晴香は梨乃ほどは気にはしていなかった。
この開店準備という仕事が好きだからだ。
店舗の隅々にまで目を光らせ、お客様を気持ちよく迎えられるようにひとつひとつ準備を整えていくと、だんだんと頭が仕事モードに切り替わる。
できるなら毎日やりたいと思うけれど、新人の仕事を奪ったと思われても嫌なので普段はあまり手を出さないようにしているのだ。
「水やりだって、本当は大鳥さんの仕事じゃない! まったく、最近の若い子は」
梨乃は晴香と同じ歳の二十九歳だ。同期入社したのがついこの間のことのように思えるのに、自分たちももうそんなことを言うようになったのか、なんてことを思い晴香はくすりと笑った。
そんな晴香を梨乃がじろりと睨んだ。
「晴香が優しいから、つけ上がるのよ! しっかりと仕事をしてもらわなきゃ、彼女のためにもならないのに」
しっかり者の梨乃の言うことはもっともだ。
ガミガミ言う梨乃に比べてそれほどは口うるさくいわない晴香に七瀬は甘えている部分がある。
晴香としては、少々歳の離れた先輩二人ともに厳しくされたのではつらいだろうという思いもあり意識してそうしているのだが、その影響が良くない方向へ出ているのかもしれない。
晴香は笑いを引っ込めて、頷いた。
でも晴香は梨乃ほどは気にはしていなかった。
この開店準備という仕事が好きだからだ。
店舗の隅々にまで目を光らせ、お客様を気持ちよく迎えられるようにひとつひとつ準備を整えていくと、だんだんと頭が仕事モードに切り替わる。
できるなら毎日やりたいと思うけれど、新人の仕事を奪ったと思われても嫌なので普段はあまり手を出さないようにしているのだ。
「水やりだって、本当は大鳥さんの仕事じゃない! まったく、最近の若い子は」
梨乃は晴香と同じ歳の二十九歳だ。同期入社したのがついこの間のことのように思えるのに、自分たちももうそんなことを言うようになったのか、なんてことを思い晴香はくすりと笑った。
そんな晴香を梨乃がじろりと睨んだ。
「晴香が優しいから、つけ上がるのよ! しっかりと仕事をしてもらわなきゃ、彼女のためにもならないのに」
しっかり者の梨乃の言うことはもっともだ。
ガミガミ言う梨乃に比べてそれほどは口うるさくいわない晴香に七瀬は甘えている部分がある。
晴香としては、少々歳の離れた先輩二人ともに厳しくされたのではつらいだろうという思いもあり意識してそうしているのだが、その影響が良くない方向へ出ているのかもしれない。
晴香は笑いを引っ込めて、頷いた。