契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
なんだか少し、わくわくする。
『セントラルホーム』の店舗で未来に胸を膨らませて相談をするカップル達は、皆こんな気持ちに違いない。
星の数ほどある選択肢の中から、自分たちにぴったりの道を選び出して、二人だけのプランを作るのだ。
「大きくなくてもいいから、庭がほしい。ビニールプールができるくらいの。ウッドデッキにして、リビングからひとつづきになってるの」
弾むように晴香が言うと孝也が目を細めて頷いた。
「ビニールプール、小さい頃晴香の家で夏休みは毎日のようにやったよね。あがったらおばさんがかき氷を作ってくれて…。楽しかったなぁ。両親の休みが合わなくてどこにも行けなくても晴香の家に行くと夏休みを満喫したって気分になれたよ。絵日記に描いたこともあるくらいだ」
「ふふふ、そんな風に、家にいるだけで子供たちが楽しいって思えるような小さな工夫があるといいな。リビングにブランコがあったり、隠れ家みたいなロフトがあったり」
すべての願いを叶えていたらお金はいくらあっても足りないけれど、孝也ならなんの問題もないだろう。きっと家族みんなが居心地良く過ごせる、陽だまりのような家ができるはずだ。
と、そこまで考えを巡らせてから、晴香ははたと思い当たる。
でもそれは、晴香の家ではないのだ。
今の話はあくまでも孝也と未来の妻のプランであって、晴香の、ではない。一方で、晴香の思い描く未来を一緒に叶えてくれる相手は、どこにもいないのだから。
なんだか、言えば言うほど後がつらくなるような気がして、思わず晴香は口を噤む。
『セントラルホーム』の店舗で未来に胸を膨らませて相談をするカップル達は、皆こんな気持ちに違いない。
星の数ほどある選択肢の中から、自分たちにぴったりの道を選び出して、二人だけのプランを作るのだ。
「大きくなくてもいいから、庭がほしい。ビニールプールができるくらいの。ウッドデッキにして、リビングからひとつづきになってるの」
弾むように晴香が言うと孝也が目を細めて頷いた。
「ビニールプール、小さい頃晴香の家で夏休みは毎日のようにやったよね。あがったらおばさんがかき氷を作ってくれて…。楽しかったなぁ。両親の休みが合わなくてどこにも行けなくても晴香の家に行くと夏休みを満喫したって気分になれたよ。絵日記に描いたこともあるくらいだ」
「ふふふ、そんな風に、家にいるだけで子供たちが楽しいって思えるような小さな工夫があるといいな。リビングにブランコがあったり、隠れ家みたいなロフトがあったり」
すべての願いを叶えていたらお金はいくらあっても足りないけれど、孝也ならなんの問題もないだろう。きっと家族みんなが居心地良く過ごせる、陽だまりのような家ができるはずだ。
と、そこまで考えを巡らせてから、晴香ははたと思い当たる。
でもそれは、晴香の家ではないのだ。
今の話はあくまでも孝也と未来の妻のプランであって、晴香の、ではない。一方で、晴香の思い描く未来を一緒に叶えてくれる相手は、どこにもいないのだから。
なんだか、言えば言うほど後がつらくなるような気がして、思わず晴香は口を噤む。