契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
そんな結婚聞いたことがない。でも確かに孝也の言う通り、悪くはないのかもしれないという気持ちが、晴香の中に芽生えた。
大体の既婚の友達は、結婚したら"夫にそういう気持ちは持てない"などと言う。空気みたいとか、ただの家族とか、どこまで本当かはわからないけれど、中には親友のような存在だと言った人もいた。
だったら初めから、"愛情"の部分を飛ばしてしまっても…。
孝也なら、家族はみんな喜ぶだろう。きっと母は、安心して自宅の建て替えに望めるに違いない。弟夫婦との同居を母が手放して喜べていないのは、晴香が心配だからに他ならない。
ここ最近晴香を悩ませていた将来に対する不安も、一気にすべて解決するのだ。
いいこと尽くめだ。
でも…。
「でも孝也。孝也は社長のお嬢さんと結婚するんじゃないの?」
晴香の言葉に、孝也が少し意外そうな表情を見せた。
「晴香、どこからそんな話を?」
「え? あ…どこからだろう。でも会社ではみんな言ってるよ。きっとお嬢さんが留学から帰ってきたら結婚するんだろうって。孝也が実力で副社長になったのはみんなわかっているけど、でもそうなれば…会社にとっては自然というか」
孝也がはぁとため息をついた。
「…副社長になるにあたって俺はそんな約束はしていない」
大体の既婚の友達は、結婚したら"夫にそういう気持ちは持てない"などと言う。空気みたいとか、ただの家族とか、どこまで本当かはわからないけれど、中には親友のような存在だと言った人もいた。
だったら初めから、"愛情"の部分を飛ばしてしまっても…。
孝也なら、家族はみんな喜ぶだろう。きっと母は、安心して自宅の建て替えに望めるに違いない。弟夫婦との同居を母が手放して喜べていないのは、晴香が心配だからに他ならない。
ここ最近晴香を悩ませていた将来に対する不安も、一気にすべて解決するのだ。
いいこと尽くめだ。
でも…。
「でも孝也。孝也は社長のお嬢さんと結婚するんじゃないの?」
晴香の言葉に、孝也が少し意外そうな表情を見せた。
「晴香、どこからそんな話を?」
「え? あ…どこからだろう。でも会社ではみんな言ってるよ。きっとお嬢さんが留学から帰ってきたら結婚するんだろうって。孝也が実力で副社長になったのはみんなわかっているけど、でもそうなれば…会社にとっては自然というか」
孝也がはぁとため息をついた。
「…副社長になるにあたって俺はそんな約束はしていない」